夕学五十講での『組織人材から社会人材へ』のキャリアをテーマにした、野田稔さんの講演内容をまとめます
夕学五十講とは?

参加した「夕学五十講」とは、東京駅丸ビルにある慶應丸の内シティキャンパスで定期開催している講演会イベントになります。
著名な登壇者が多いのが特徴で、これまで受講したことがあるのが、勝間和代さん、本田直之さん、藤原和博さん、ちきりんさん、山崎亮さんなど、
その時々の興味・関心に応じて、都合良い時に、年に何度か受講しています。
イベントは、平日夜に開催され、通例、講演90分と、参加者からの質疑応答が30分の進行となります。
夕学五十講(せきがくごじゅっこう) | 慶應丸の内シティキャンパス定例講演会
キャリアがテーマの野田稔さんの講演
今回は、『組織人材から社会人材へ』のキャリアをテーマに、一般社団法人『社会人材学舎』を手掛け、明大大学院教授でもある野田稔さんの講演でした。
【夕学リフレクション】超長寿国家ニッポンにおいて、個人の幸福、企業の成長、社会の繁栄を同時達成する方策は。野田稔先生の講演「組織人材から”社会人材”へ」の紹介です。 第14回11/26(木)野田 稔先生 | http://t.co/MXxqfeMfuZ
— 夕学五十講 (@sekigaku) September 14, 2015
第14回11/26(木) 野田 稔先生 | 慶應MCC 夕学リフレクション
講演内容まとめ

個人的に、最近、時期的なものなのか、無意識なのか、キャリアとか人生とか将来と言った事を考える機会が多く、今回はタイミングが良く、大変興味深く聞かせて頂きました。
終始引き込まれる魅力的な内容がとても面白く、参加できて有意義でした。
以下に、講演のポイントをまとめます。
日本や世界が取り巻く厳しい現状
複雑で多局化する社会の昨今。日本は、超高齢化社会・人口減少・年金問題など多くの将来不安を抱える中、
個人として、人生という長いスパンで将来を捉え直し、退職後30年近くある余生を楽しく充実して長く働くためにも、
社会全体で、徹底した人材活用による社会最適と、個人能力発揮が必要だという話から講演は始まりました。
キャリアとは自己成長
終身雇用という自動エスカレータが崩壊したのは、「想定外変化・専門性の細分化深化・変化のスピード」が原因と分析し、
会社依存から脱却し、自分で人生を選ぶ時代のキャリア像は、『仕事を通じて、志を実現する、成長プロセス』と定義。
この定義は一般的なキャリア論とは異なると思われるが、
自ら主体的に、周囲の期待を集め続けるために何をしていけば良いか?を洗い出して認識するためのノウハウの1つとして、
バックキャスト、つまり、将来から逆算して、年齢フェーズに応じたキャリアテーマを変化させていく事が必要になるという話がありました。
具体的な例としては、
- 20代→会社に慣れる、与えられたことをこなす
- 30代→自ら旗印を掲げる、勉強し続ける
- 40代→会社外から顔の見えるシゴト。周囲の協力が不可欠。要リーダシップとマネージメント
- 50代→育成・後継に関心。自然と複線型キャリアに
これらは、退職間際に動き出していては遅く、いつからでも遅くないので、
今のシゴトを大事にしつつ、楽観的かつ戦略的にできること洗い出し、学ぶ習慣を付けるが大事とのことでした。
組織人材から「社会人材」へ
そして、「社会人材」について。
目指す人材像は、世の中を、良くするために自信の能力を、発揮すること。そして、それに幸せを、感じる人。
つまり社会人材とは、世の中を良くすることと、自分の幸せの同時達成の実現を目指すキャリア像なのだそうです。
現状認識をし、可能性を広げる
多くの人が、本当にやりたいことはなかなか見つけにくく、将来についてモヤモヤしている。
でも、それはある意味当たり前なことで、常にやりたいことや、可能性を探し続けることが大事と、野田稔さんは思えるようになってきたそうです。
そして、まずは現状をしっかり認識するというもう1つのノウハウの話がありました。
それが、【canの棚卸し】と【mustの縮小】です。
- 原点のcan→喜びを持って夢中になれることや指向性。強みになる
- 大人のcan→今のシゴトの要素分析。思い込みの排除には他者のチカラも必要
- mustの縮小→多くの人はmustの割合が多い。ローン、育児、介護など
これにより、人間の本質レベルで認知でき、洗い出した要素を組み合わせることで、
長く働き続けられる条件である、成長し続けることや能力開発、そして、やりがいのwillの発見につながることがあるそうです。
その他、気になったポイント
- 徳を積め→他人のために最善を尽く
- 運の良い人は、行動が違う、平常心で視野が広い
- 運の悪い人は、神経質で不安な人が多い、視野狭窄を起こしてる
- 社会終身雇用へ。人材流動化
- 「リベラルアーツ」社会はどうあるべきか?を客観的に勉強する
- 応援したいなら、期待を明確に言語化する「美点凝視」が大切。じっくり話を聞くこと
- 悲観は気分だか、楽観は意識
- 自分の情熱を、伝えられるか?
- canの組合せは、認知の可能性の枠を広げるのが目的
- 自分史分析。何に夢中になったか?固有名詞を出す。どんなところが好きか?
- 悲観克服には、現実を洗い出し、論理で組み立て→対した事ないと思えてくる。認知療法的アプローチ
- 自分なら何で貢献出来るか?問題意識
久々の「夕学五十講」は、社会貢献と自分の幸せを同時達成する「社会人材」を目指すキャリアへの講演。終始魅力が溢れる内容で、興味深くて有意義だった。ポイントは、まず考え方を変える事。長期スパンで捉え、バックキャストで洗い出しつつ、今を大事に、主体的・楽観的に実践し続ける事なのかな?
— じゅんろぐ (@jun1log) November 26, 2015
その他、「運が良い人、運が悪い人の違いとは?」の話が興味深かった。あと、リベラルアーツからの客観視が回り道かもだけど長期的には役立っていく点とか。要は、自分も周りもよく見て、将来を見据えて、如何に総合的に分析・判断できるかが大事ってことなのかな?
— じゅんろぐ (@jun1log) November 26, 2015
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